堀田先生の慢性上咽頭炎の論文読んでみた

前回は田中先生の論文を紹介しましたが、今日は堀田先生のブログを紹介したいと思います!

堀田修先生の論文

堀田先生の論文はこちらから読むことができます。

堀田修先生の紹介

慢性上咽頭炎といえばこの人!

つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさいの著者でもあります。

前回紹介した田中先生、あいうべ体操でお馴染みみらいクリニックの今井先生と慢性上咽頭炎三銃士の長といったところでしょうか。

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今回紹介する論文では慢性上咽頭炎が関係する疾患と上咽頭炎擦過の効果に関する考察が述べられています

慢性上咽頭炎と様々な疾患の関係

何度かこのブログでも書いたように、慢性上咽頭炎が関係する症状は多岐に渡ると言われています。

なぜこれらの病気が慢性上咽頭炎に関連があるといえるのかというと

①当該疾患を有する患者において EAT 施行により上咽頭からの強い出血を認め,しかも② EAT の継続により出血が軽減,消失するに従い当該疾患の症状が軽減もしくは消失することにある.すなわち,①の必要条件と②の十分条件を満たす疾患が慢性上咽頭炎の関連疾患として該当する

https://www.jstage.jst.go.jp/article/stomatopharyngology/31/1/31_69/_pdf/-char/ja

という実測的なデータに基づいています。

ただ、医師の技量により効果に大小があることによって、この定義は客観性に乏しいんです。

Bスポット治療の効果と期間

これ、気になっている人多いんじゃないでしょうか?

何度病院に通っても症状が一向に良くならない。本当に効果があるのか?

という書き込みやツイートをよく見かけます。

論文によると、頭痛、首こり、肩こり、上背部痛は即効性があり慢性咳嗽の改善には週に一度のEATで5-10回程度。後鼻漏の改善には10回以上で数ヵ月の治療継続を要するとのこと。自律神経系の症状の場合も10回以上が目安となりそうです。

今回も表にまとめておきます。

ちなみにしゃっくりにも効くとか笑

ここで気になるのは、律神経系の症状改善や後鼻漏の改善には治療終了までの期間が記載されていないことです。

これらの症状の改善に必要な期間が長く、終了のタイミングを示すことができない。もしくは終了までの個人差が大きいのではないでしょうか。

何度通院しても症状が良くならないのは、その症状の改善に時間がかかってしまう場合自然なことなのだと思います。

ただ、即効性のある症状が長引くようなら病院を変えてみるのもアリかもしれません。

多少なりとも症状が改善しているのであれば、治らないのではという不安に駆られる必要はないような気がします。

実際僕自身もすでに30回はBスポット治療をしていただいていますが、症状が0になったわけではないし、出血と痛みもあります。(最近治療のアプローチを変えて鼻からだけでなく喉からのBスポット治療も始めたので、出血が始まったのも不思議ではありません)

また、咽頭痛についても期間が書かれていないのですが、記載から漏れたのでしょうか?

もしかすると喉の痛みが完全に無くなれば上咽頭炎は収まったということになるのかも。痛みが引いたときが治療終了の大きな目安になるかもしれません。

上咽頭炎擦過が効くメカニズム

塩化亜鉛の作用は前回の田中先生の論文にも記載されていましたが、掘田先生の場合もっと簡潔にまとめられていてわかりやすいです。

  1. 塩化亜鉛の収斂、殺菌作用
  2. EATの瀉血作用
  3. EATの迷走神経刺激作用

※EATとはBスポット治療のことです。国際的にこの治療を広めるために英語名に変更しているのですが、日本ではBスポット治療という名前が有名すぎてなかなか広まっていません。僕のように発信している人間はきっとEATという名前を積極的に使うほうが良いと思うのですが、いかんせん検索ヒット数が段違いなので・・・(10倍くらい差があります)

塩化亜鉛の収斂、殺菌作用

タンパク質と塩化亜鉛の反応で炎症を抑えるという話を前回書きましたが、亜鉛には弱い殺菌作用があります。

上咽頭の炎症を抑えるだけでなく、そこにいる菌にも作用するので一石二鳥といったところですね。

海外ではその効果からのど飴に亜鉛を入れているところも!

論文には海外と記載さていますがなんと日本でも発見!

気になる人は舐めてみるのもありかもしれません笑

さて、塩化亜鉛を塗るだけで効果があるならまんべんなく鼻腔に塗りたくれば上咽頭炎が治るはず。

しかし実際はそんな事ありません。

綿棒でしっかり擦って塗る場合とそうでない場合で、効果に明確な違いが見られるそうです!

EATの瀉血作用

ちょこちょこ塗られるだけでは良くならないと言われる理由はここにあります。

塩化亜鉛を付けていない綿棒でも擦ると出血が見られることから、上咽頭粘膜下のうっ血状態にある細静脈叢を綿棒擦過することにより生じる機械的な瀉血作用と見なすことが出来ます。

瀉血によってうっ血状態が改善され、自律神経系の症状が改善されると推測されます。

EATの迷走神経刺激作用

自律神経の中枢または末梢(咽頭のような知覚神経線維の豊富な粘膜)に強い刺激,または弱くても持続的な刺激が作用すると病的な自律神経反射をおこして全身諸臓器の障害が生じる現象が自律神経過剰刺激症候群(Reilly 現象)として 20 世紀前半から広く知られている。

上咽頭はこれに当てはまる部位であり、常に炎症を起こしていることで自律神経や臓器に障害を起こしているということですかね?

この項目の説明は専門用語が多く理解するのが難しい内容でした。

刺激が作用して障害が生じるのなら、Bスポット治療で刺激することによって悪化するようにも思えるのですが、要はショック療法ということなのでしょうか。

ここで興味深かった内容は「黄砂が飛ぶと心筋梗塞発症リスクが高まる」というものでした。

一つの可能性として黄砂による上咽頭粘膜刺激が Reilly 現象を誘発して心筋梗塞を発生させたという機序が推察されるとのことですが、黄砂が飛んでいるときは必ずマスクをしようと思いました。

最後に

慢性上咽頭炎になってから、様々な文献やブログなどを見てきましたがシンプルな病気なのに本当に恐ろしいなと感じます。

きっと自分が慢性上咽頭炎だと気づかないでつらい日々を送っている方もたくさんいるのではないでしょうか。

ただ最近いろんな本屋さんで「つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい」が置いてあるのを見ると、知名度は少しずつだけど上がっているのかなと感じます。

もっと親しみやすく読みやすくなったムック本もあります。

また有益な情報を見つけたら発信していきたいと思っているのでぜひたまにチェックしに来てください笑

それでは今回はこのへんで!

今日も読んでいただいてありがとうございました!